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ハイブリッドワークで生まれた新しいコミュニケーションの課題

ハイブリッドワークで生まれた新しいコミュニケーションの課題

 前回ブログでは「人的資本」について意見を述べましたが、最近になって政治の世界で進捗がありました。6月7日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)*では、人への投資に重点が置かれ、2024年度までの3年間に4000億円を投じることが決められました。働く人の能力開発、再就職支援、研修費用の補助を拡充します。また兼業や副業に向けて、多様な働き方が推進され、デジタル人材の育成に努めることが発表されました。人材育成をなりわいとして仕事をする立場からしても、喜ばしいことだと感じます。それぞれの立場の関係者が言葉だけではなく、実行することが望まれることになるでしょう。
* 経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針):https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seisaku_kishida/kihonhoushin.html

 今回は多様な働き方とコミュニケーションに関して、私なりの考察を述べていきたいと思います。

久しぶりの対面でのミーティング
 春頃からコロナ禍に対する人々の心理的ガードが下がったと感じるのは私だけでしょうか。ゴールデンウィークが明けてから、直接対面でのミーティング機会が増えています。画面越しでしか会えなかったお客様と久しぶりに面と向かってお会いできることは、アナログ世代の私にとっては大きな喜びとなり、しばらくぶりの再会を楽しみました。オンラインでは細かい表情が見えず、醸し出す雰囲気を十分つかみとることに困難さを覚えていましたが、実際にお会いして、私の体中の細胞は相手のことを察知しようと沸き立っているようでした。少ない言葉でも、相手の言わんとしていることが理解でき、言葉の裏に隠された感情も肌で感じることができました。オンラインのメリットは、移動時間を節約できるので、比較的多くの方々とお会いすることができる点です。私もその恩恵にあずかったうちの一人です。今は対面でお会いできることを「一期一会」として捉え、目の前の方との再会に感謝したいと思うようになりました。この感情は持ち続けていきたいものです。

ジェネレーションギャップによるコンフリクト
 先日、対面よりも、オンラインでコミュニケーションするほうが自分の本音を伝えることができるという方に会いました。特にビデオオフでお互いの姿が見えない方が、なおさら本音で語れるそうです。相手の表情が見えないため、遠慮する必要がないからなのでしょうか。それでは対面で直接お会いしていた時は、本音で語っていなかったということになります。相手の表情を気にして、正直な気持ちや意見を言えていなかったということになります。これはオンラインでのコミュニケーションが一般化したことで、本音を伝えるコミュニケーション能力が低下したのではないかという私の見解をある人に伝えたところ、「それは新里さんの偏見で、危険な見方ですよ。多様性を認めることが進められる社会で、そのような見方は思い込みですよ。ただのジェネレーションギャップですよ」とピシャリと言われてしまいました。ここでジェネレーションギャップを持ち出すのかと驚いた気持になりましたが、言い争うことは止めにしました。多様なコミュニケーション、多様な働き方に関しては私も大賛成です。私の「能力が低下した」というのは意見であり、良し悪しのジャッジをしたつもりではありませんでした。そういう意見や見方もあるのかと思ってもらえれば良かっただけの話です。

 またあるお客様を訪問した際に伺ったお話ですが、部下に大切な会議があるので出社するように伝えたところ「納得できる理由を教えてください」と言われてしまったそうです。毎回、論理的で合理的な理由を伝える必要があり、困っている様子でした。ミーティングの終盤では、「最近、若い人とのジェネレーションギャップを感じる」と、しみじみつぶやいておられました。

 この使い古された「ジェネレーションギャップ」という言葉、ある意味、この時代でもキーワードなのではないでしょうか。世代間による考え方や感受性の違いが、新しいコンフリクトを生じさせているのではないかという問題意識を私は持ち始めています。皆様はどうでしょうか。

相手の「世界」と自分の「世界」
 現状、リモートワークを継続している職場もあれば、毎日出社する職場もあります。また、リモートワークと出社を共存させるハイブリッド型の職場もあります。働き方が多様になれば、コミュニケーションの取り方も多様になり、考え方もバラエティーに富むようになります。そこには相手の「世界」があり、自分の「世界」があります。違う表現を使うのなら、その人固有の一般常識とかナラティブが、隔たりを生じさせ、違いを生みます。ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)が面倒なのは、その違いを受け止める度量がなくて狭量になり、余計なコンフリクトに発展してしまいがちなところにあります。「今だからこそ」の新しいステージに突入したのではないでしょうか。

 私は50代ですので、完全に古い世代の部類になり、煙たがられる世代でしょう。ちょっとしたことでも、かなり注意して神経を使うようになりました。そんな私ですが、ハイブリッドワークが進む社会で、少しでも理想に近づけるような職場を築くお手伝いをしていきたいと考えています。そんな「オジサン」の意見や考えを受け入れてくれることを切に願い、そろそろ終えたいと思います。

 

最後に
 「お互いに分かり合えていないことを認めることこそが、対話にとって不可欠である」
“平田オリザ「わかりあえないことから」より”

 

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筆者紹介

未来への道標 A guide to future

新里 幹彦(ニッサト ミキヒコ)
クインテグラル株式会社

長年、日系・外資系企業でのマネージャーとして活躍。2013年よりクインテグラルで、日本国内の内資・外資系の企業の経営陣や幹部、次世代リーダーの方々を対象に、リーダーシップの強化、マネジメントスキルの向上、グローバルコミュニケーションの強化など、人事コンサルタントとして様々な課題に取り組んでいる。最近では、これらの経験を活かし、トレーナーとしても活動を開始。

 


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AMAは、1923年にニューヨークで設立されたマネジメント研修の分野で世界を代表する国際教育研修機関です。世界において10万人以上の個人クライ アントと約1万社もの法人クライアントから高い評価を受けています。 グローバルナレッジマネジメントセンターは、2012年2月より、AMA (American Management Association)のサービスを国内で唯一提供する会社として設立され、2017年10月、アジアへのAMAサービス展開 に合わせ、社名をクインテグラル株式会社に変更いたしました。


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