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人的資本 (ヒューマンキャピタル) を高める

人的資本を高める

 

新しい資本主義実現会議
 「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした新しい資本主義を実現するために新しい資本主義実現本部が内閣に設置され、令和3年10月からは、内閣主導による「新しい資本主義実現会議」が開催されています。

 人的資本 (ヒューマンキャピタル) については、1950年代からアメリカで議論されています。それから70年を経て、やっと日本でも議論が始まり、さまざまな施策が企業に求められるようになりました。何を今さらと言いそうになりましたが、理由は何であれ、遅きに失することはないので、官民ともに進めるべきだと私も思います。

 今回のブログでは、今話題となっている「人的資本」について私なりの意見を述べていきます。

人はコストではなく、資本
 流行語にもなった「心理的安全性」が高いチームほど労働生産性が高い、とGoogleのプロジェクトアリストテレスの調査結果で報告されています。それでは、日本の労働生産性はどれくらいの位置なのでしょうか。2021年はOECD (経済協力開発機構) 38か国中28位、G7 (主要7か国) では最下位でした。頑張って仕事をしているのに、こんなに低い評価だと悲しくなってきませんか。

 Googleの調査報告が真実であるならば、日本企業の労働生産性がこのように低いのは、心理的安全性が低いことが理由の一つとなります。以前のブログで私はこう述べました。

職場・会社が好きで、愛着が増すと安心が生まれます。これが心理的安全性です。私もここにいて良いんだ、安心して仕事ができると思えることで、仕事がはかどり、生産性が高まります。段々と失敗を恐れずに、新しいことにもチャレンジするようになり、結果、イノベーションが生まれます。そして、そういった職場には活気が高まり、退職者は減り、この職場で長く働きたいとエンゲージメントが高まります。 (中略) 生産性とイノベーション、そしてエンゲージメントを生み出す絶対的条件が心理的安全性なのです。逆の言い方をすれば、心理的安全性がないところには、生産性・イノベーション・エンゲージメントは決して生まれないのです。

 自分で書いたブログですが、本当にその通りだと思います。ここは言わずもがな、経営者・上司だけではなく、従業員・メンバーを含めて総動員による改善が急務ですね。人はコストではなく、資本です。人は「宝」・「財」という意識を持って、事に臨む必要があります。改めて職場や仲間に対して、感謝と少しの優しさを持つことから始めようと私も思いました。「ありがとう」という感謝の言葉を明日何回言えるでしょうか。

「雇用され得る能力」を向上させる
 一括新卒採用、長い下積み、終身雇用を前提にした日本型雇用、いわゆるメンバーシップ型雇用は今後終焉を迎えるでしょう。変化が急激に進む現代社会、先を予測することが困難なVUCAの今、多くの日本企業の伝統的な慣習は通用しなくなってきています。例えば10~15年間は社員の処遇に差を付けないような、ゆっくりと育成している暇や体力は日本企業にはもうありません。そのようなことを継続していれば、競争に取り残され、企業そのものが消滅してしまいます。この状況において、職務内容を明確にし、専門性を重視する、欧米で主流となっているジョブ型雇用を取り入れる企業が増加しているのは必然なのかもしれません。ジョブ型雇用が進むと、優秀な人材がどんどん入社してきます。既に在籍している社員はボーっとしているわけにはいきません。知識、能力、スキルを磨く必要があります。リカレント、リスキリング、アップスキルという言葉がはやっているゆえんです。エンプロイアビリティ (employability) 、つまり、「雇用され得る能力」を一人一人が向上させていかなければ、生き残れない厳しい時代に私たちは突入してしまいました。

人生のコントロール権は、自分が持つ
 しかしながら、残念なことにこのようなデータがあります。勤務先以外での学習や自己啓発について、「何もしていない」という人が日本では46%*もいるそうです。日本人の半数近くが仕事以外では何もしていないという事実、これはとても危険なことです。学ばなければ、知識、能力、スキルは向上しません。そうすると、どんなことが起きるでしょうか。重要な仕事や役割は優秀な人材に移っていくことでしょう。そして悲しいことに能力・スキルの低い人の立場は下がっていきます。そのような人は、ずっと会社主導によるキャリア形成や配置に従わなければなりません。人生は自分のものであり、コントロール権を決して他人に渡さず、自分が持っておくべきものと私は強く思います。
*パーソル研究所 APAC就業実態・成長意識調査 (2019年)

 そういう私も50代に突入した2年前に大学に復学し、今年の4月からは大学院に進んでいます。若い時はあれ程遊びに夢中だった私が、今は遊ぶように学んでいます。私でさえできるのですから、このブログを読んでくださっている皆さんにもできるはずです。一緒に学びませんか。楽しいですよ!そして、自分の人生は1回きりです。他人にコントロールされずに、自分のキャリアは自分でデザインしていきましょう。50代、60代、70代、そして80代の人たちも年齢を言い訳にせずに、共に向上していきましょう。当然20~40代の人たちは貪欲にやりましょう。年齢はただの背番号みたいなものだと私は思います。

労働市場の流動性が人的資本のレベルを向上させる
 前述した通り、今、ジョブ型雇用は急速に浸透しています。ヘッドハンターである友人によると、企業はスキル・能力のある人材の取り合いになり、労働市場は需要と供給のバランスが大きく崩れているそうです。人材の流動性が高いほど、経済の競争力は高まると言われていますが、それは真実だと思います。異動 (移動) が進むと知識・ノウハウ・技術が素早く共有され、企業と経済全体の底上げにつながります。もう一つの理由は、優秀な人材の囲い込みや獲得のために、企業は処遇や職場の環境を高める努力を行い、それが人的資本のレベルの向上につながるからです。そういう企業に人は興味や関心を持ち、人気が高まり、優秀な人材は集まっていくのです。このように自分の価値を正当に評価してくれる、好条件の企業に転職するスピードは高まることでしょう。これも当然のことで、この流れは止めることができません。私はとても良い傾向だと思います。

学び続けるという選択
 労働生産性、ジョブ型雇用、労働市場の流動性など、小難しいことを今回は語ってしまいました。とどのつまり、個々人のリカレント、リスキリング、アップスキルがどうしても不可欠になってくるということです。つまり、人的資本の向上を推し進めるということは、一人一人が自分自身を高めること以外ないのです。その結果、やりたい仕事ができるようになり、給与などの条件も良くなります。そして、自分の人生を他人ではなく、自分がコントロールし、デザインできるようになるのです。学ぶことで失うことは何もありません。メリットしかありません。しかし、学ばないと失うものは大きいのではないでしょうか。厳しい言い方をすれば、どちらを選択するかは、結局は自分なのです。蛇のように賢く、ハトのように素直な態度で生きたいですね。

 

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お問い合わせ:https://www.quintegral.co.jp/contact/

 

筆者紹介

未来への道標 A guide to future

新里 幹彦(ニッサト ミキヒコ)
クインテグラル株式会社

長年、日系・外資系企業でのマネージャーとして活躍。2013年よりクインテグラルで、日本国内の内資・外資系の企業の経営陣や幹部、次世代リーダーの方々を対象に、リーダーシップの強化、マネジメントスキルの向上、グローバルコミュニケーションの強化など、人事コンサルタントとして様々な課題に取り組んでいる。最近では、これらの経験を活かし、トレーナーとしても活動を開始。

 


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AMAは、1923年にニューヨークで設立されたマネジメント研修の分野で世界を代表する国際教育研修機関です。世界において10万人以上の個人クライ アントと約1万社もの法人クライアントから高い評価を受けています。 グローバルナレッジマネジメントセンターは、2012年2月より、AMA (American Management Association)のサービスを国内で唯一提供する会社として設立され、2017年10月、アジアへのAMAサービス展開 に合わせ、社名をクインテグラル株式会社に変更いたしました。


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