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世の中はゾンビだらけ Organization of the Dead

世の中はゾンビだらけ

ふと気が付くと、そこら中にゾンビがあふれていることに驚きます。もはや時代はゾンピパンデミックと言ってよい状況なのかもしれません。あなたの周りにもいませんか?やたらとゾンビに詳しく、どうやってゾンビと戦うべきかを常に考え、逃げ込むならホームセンターと真顔で話している人が・・・。

私の頭の中では先ほどからずっと、
「ダンシングダンシング ローリングローリング オンリーワンマイライフ やがて人生だって終わってしまうぜ 虚しさだけじゃ足りないだろう?」
とKANA-BOONが軽快に歌っています。そしてスマホのリマインダーアプリにはゾンビになるまでにしたい100のことをリスト化して日々暮らしています。

はい、うそです。
これは、最近私が気に入って視聴しているテレビアニメ『ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~』のお話です。ただ、ゾンビがあふれているというのは本当で、もちろん現実の世界ではなく、映画やテレビ、マンガやゲームの中の話です。やたらとゾンビが登場するストーリーが多いとは思いませんか。ゾンビもの以外で多いのはタイムリープや転生ものと個人的には思います。そして宇宙人や恋愛ものが減っているのではないかと勝手に、本当に勝手にそう感じています。これは至極私個人の勝手な嗜好 (しこう) と思考の指向性の問題であることは重々承知しながらも、なぜこんなにゾンビものがあふれかえっているのか気になり想像してみることにしました。

ゾンビとは

ウィキペディアによると、ゾンビとは、“何らかの力で死体のまま蘇った人間の総称である。多くはホラーやファンタジー作品などに登場し、「腐った死体が歩き回る」という描写が多くなされる架空の存在である”そうです。

起源として、アフリカで信仰されていた神に由来するなどはあるようです。要は人が創り出した架空の存在であり、明確な定義もなく、フィクション作品のなかで、それぞれが勝手にゾンビ像を作り出して、ストーリーとして受け入れられたものを生み出し続けて今に至っています。大きな意味でのゾンビバトンを脈々と後世に引き継いできているという状況のようです。

幽霊や妖怪、吸血鬼、宇宙人などおそらく同じように架空の存在であると思われるようなものも数々のフィクション作品に描かれてきています。なんとなくゾンビほどの統一感といいますか、共通項を形成されるに至っていないと思います。

ゾンビの特徴

ここに至るまで紆余曲折はあったと思いますが、ゾンビといえば、もともとは生きている人間です。ゾンビになると元の人間が持っていた意思や意識はなくなり、言葉も話さず獣のような行動をとり、生きている人間を襲います。襲われた (かまれた) 人間はやがてゾンビとなり、ゾンビが増殖していくというのが、おおよそ私たちが認識しているゾンビの特徴なのではないかと思います。

この特徴こそが、いまゾンビ作品があふれかえるほど作られている理由であることは間違いありません。見た目は人間っぽいけど、死体なので一部腐ったりして醜く嫌悪感を抱かせます。確認はできませんが、人間のような意思はないと思われるので、相手を思いやる気持ちなどはありません。

襲われると自分も人間ではなくなる恐怖心から、討伐することが正義であり、存在自体が悪であるという、敵としての条件がそろい過ぎています。どんな悪役俳優よりも、敵役として適任なのです。また、詳細は作品での設定によるものの、おおむね刃物や銃など既存の武器で討伐することが可能な範囲の強さ (弱さ) であるというのも、よりゾンビの使い勝手を助長しているように思います。

ゾンビという大発明

これはもはや私たち人類の誇る大発明なのかもしれません。ゾンビという発明があったおかげで、映画やゲームで数々の面白い作品が生み出され、私たちに楽しみを提供してくれています。

ただ一方で、これこそがゾンビパンデミックであり、この便利すぎる存在がゆえに、それ以上の想像力を喚起せず、もっと面白い架空の存在を創作する努力を忘れ、クリエイティビティを止めてしまっているのかもしれません。

また、ハリウッドでの将来的なストライキの対象として、AI (人工知能) よりも先にソンビじゃないか?ということになりかねません。どんなに優れた俳優の演技よりも、ゾンビらしく見えるメイクをした素人の方が完璧に人類の敵を演じることが可能です。

もはや人間でないゾンビ役はAIで作成しようが、俳優が演じようが大差はないため、ゾンビはAIですますことができます。制作コストが押さえられるゾンビ映画ばかりが大量につくられ、気が付いたら映画もゾンビパンデミック状態になってしまうかもしれません。仮に、AIが映画製作の企画段階で使用され、収益を上げられる映画のストーリーを作らせたら、制作コストが押さえられ、自ら映画にも出演でき、そこそこ人気が出るゾンビ映画ばかりを制作することは間違いありません。

ゾンビのウイルス説

ゾンビがゾンビになる理由としては諸説あります。ウイルスが人間に感染するとゾンビになるという設定が一定数あります。私の好きなゲームでも、ウイルスが人間を別のゾンビらしきものにしてしまうという設定があるので、なんとなくウイルス説を信じています。ただ、ウイルスも生物です。討伐されては種を残せないので、見るからにゾンビと分かる見た目で人間 (外敵) に嫌悪感を抱かせるのではなく、見た目も変わらずに、しれっと隣の個体に感染してしまうコロナウイルスのような増殖が望ましいのではないかと考えています。あれだけ派手に人間の身体を腐らせて意識をなくし、人間の尊厳を感じさせないから、ゾンビウイルスとしては「してやったり」の征服感や達成感はあるでしょう。しかし、あそこまで嫌な存在となってしまうから、生きている人間は必死で抵抗してくるわけです。もっと上手にやれば良いのにと思います・・・。

いやまてよ、昨今のコロナウイルスの変異スピードは決して遅くはなく、あれよ、あれよという間に次々に変異してきました。宿主である人間が死んでしまっては増殖ができないので、ワクチンには強く、されど宿主は殺さずという変異を早いスピードで獲得してきています。1932年の『ホワイトゾンビ』という映画がゾンビ登場の最初の映画とされています。そのころのゾンビは人間を襲わず、ゾンビ化もさせませんでした。それが1960年代にはゾンビにかまれるとゾンビ化するという設定になったようです。

誰もがゾンビ?

それから60年近くの年月がたっているのに、いまだにゾンビはゾンビらしい見た目のままです。これは、ウイルス学的にはあり得ないはずです。既にゾンビウイルスは人間の見た目を変えずに繁殖するというウイルスに変異していて、それを人間たちに悟らせないように、同じ設定のゾンビ作品を作らせ続けているとしたら・・・既に私たちはゾンビになってしまっているのかもしれません。

皆さんは自分がゾンビでないという自信はどれだけありますか?
冒頭に紹介した『ゾン100』の主人公は、毎日ブラック企業で生きた屍 (しかばね) のように働かされていました。もう会社には行きたくない、もう生きたくないと思っていたある日、突然ゾンビパンデミックが発生し、周囲がゾンビだらけという状況になってしまいました。そこで初めて「もう会社に行かなくていいんだ!」と思い、生き生きとするところから物語が始まります。生きているのに生気を失っている状況というのが、企業組織内で発生しているのだとしたら、それはゾンビウイルスによるゾンビパンデミック状態なんではないかと思います。

「ゾンビ社員」や「Working Dead」などの言葉は、社内での無気力で覇気がない人のことや組織状況を表現することがあるようです。最近頻発している企業内の不祥事の数々は、何年もの間、悪いこととわかっていながら、どこかで知っていながらも、是正されずに今日に至ってしまったように感じます。何も言えずにゾンビ化してしまった方々が多くいるという事実が、組織内のゾンビウイルスへの脆弱性を指摘しています。いきなり当事者となると対処が難しいものです。

ゾンビにならないために

日頃から、このようなゾンビウイルスが社内にまん延したら、どう行動するか、想像力を働かせて準備しておきたいものです。このゾンビウイルスは人間の見た目を変えることはなく、比較的権力を持った個体が恐怖感を武器にウイルスをまき散らし、感染すると覇気がなくなり、生気を失い、じわじわと周囲に感染していきます。何か行動を起こすことが馬鹿らしく思え、ゾンビとしてただ毎日を過ごすことになってしまいます。

そのようなゾンビ社員にならないために、今のうちからやっておいた方が良いことをリスト化しておくことをお勧めします。そのうちのいくつかは、企業研修でお手伝いできることもあるのではないかと思います。

ただ、あなたの前に現れる講師がゾンビでない保証は致しかねます・・・・。はい、冗談です。

ゾンビに負けず、タイムリープに頼らず、転生を夢見ず、毎日をイキイキと過ごすことで明るい未来を築いていきましょう!

 

本ブログでご紹介した内容の詳細は、以下までお問い合わせください。
お問い合わせ:https://www.quintegral.co.jp/contact/

筆者紹介

山田 琢 Taku Yamada
クインテグラル株式会社

グローバルな仕事に従事しながら、国および企業文化の違いによる組織力の差に興味を持つ。それ以来、より良い組織を作るにはどうしたら良いのか、そもそも良い組織とは何かを探し求め、組織開発ファシリテーター・コンサルタント、企業内人事などに従事し、2018年より現職。人材育成の領域から、より良い組織作りに貢献することを目指している。

 


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