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ハイブリッドな環境でハイポテンシャル人材の維持と育成を実現するための6つのステップ【AMA U.S 最新情報】

 

クインテグラルは、世界有数の人材育成コンサルティング組織であるAMA(American Management Association)*の日本支社として営業を開始して以来、30年近くの間、日本で唯一AMAプログラムを提供し続けております。
AMAとの長年のパートナーシップを継続している強みを活かし、今年から、AMAで配信された人材育成に関する情報を、少しずつ皆さまにお届けしていきたいと思います。
* AMA(American Management Association)についてはこちら

※本記事に掲載された内容は、AMAより許諾を得て一部転載しています。

パンデミック以降、未来に対する不確実性が高まる中、ハイポテンシャル人材にどのような育成機会を提供するのが適切なのかが不明瞭となり、予定していたトレーニングを中断する企業も多かったのではないでしょうか。
また、在宅勤務(Work from Home:WFH)とオフィス勤務を組み合わせた「ハイブリッドワークフォース」が増えることも予想される中、企業は、新しいエンプロイーエクスペリエンス*1を考え直す必要に迫られています。

*1 エンプロイーエクスペリエンス(Employee Experience:EX):組織の中で働くことを通して従業員が得られる満足度やスキルアップ、健康状態等を含めたあらゆる経験価値のこと

先日、Gartner社で発表された「Top 5 Priorities for HR Leaders in 2021」によると、HRリーダーが、組織の優先事項をサポートするために最優先したい事項は、組織にとって重要なスキルとコンピテンシーの構築でした。
昨年は、対処すべき緊急性の高い事項を優先させるため、リーダーシップ開発プログラムを保留する企業も多くありましが、今後も変容していく世界において、継続的にリーダーを育成し、輩出していくための施策を行う必要があります。

今回は、ハイブリッドなビジネス環境下で、ハイポテンシャル人材を次世代リーダーとして育成する施策を前進させる6つのステップをご紹介します。(以下、AMA Articleに掲載された記事より抜粋)

ステップ1:軽いタッチで

もはやリーダーは、人を育てるために強引なマイクロマネジメント的アプローチをとることはできません。社員を監視するようなやり方は、効果的でないばかりか、かえって問題を悪化させることもあります。Harvard Business Review誌が2020年7月30日に発表した「Remote Managers Are Having Trust Issues」によると、最近の調査では、半数近く(49%)の従業員が、管理者からリモートで細かい監視を受けることに強いストレスを感じていると報告しています。非公式なコミュニケーションやアクセスがより制限されるようになった今、リーダーは自分のマネジメントスタイルを見直さなければなりません。新しいハイブリッドな職場環境では、信頼関係の築き方、コーチング、人材育成、より効果的なチームワーク、フィードバックの提供、さらには難しい会話の仕方にまで影響を与えます。これまで以上に、マネージャーは明確な目標と期待値を設定し、十分な方向性を示し、従業員が自分の専門性に関する能力開発について、よりオーナーシップを持てるようにする必要があります。

ステップ2:ソフトスキルを重視する

従業員のリモート化が進んでいる現在、かつて学んだスキルの多くをバーチャルに応用する必要があります。未来のリーダーを育成するには、ソフトスキルに新たな重点を置く必要があります。特に、Communication(コミュニケーション)、Compassion(思いやり)、Collaboration(コラボレーション)という3つのCを育む必要があります。ハイポテンシャルな次世代リーダーのモチベーションを維持することが大切です。在宅勤務の場合、マネージャーや直属の部下は、仕事から離れ、その場にいない状態になりやすいため「自分でやればいい」という考え方が強まっていきます。人間関係を育み、つながりを築くことに焦点を当てた、よりソフトなアプローチをとることで、孤立の影響を和らげることができます。

ステップ3:人材の多様性を育む

同様に重要なのは、優秀な人材を早い段階で発掘することです。
マネージャーは、将来性があり、より広い範囲でリーダーシップを発揮しようとしている人材を、表面的な属性だけでなく、より深い次元で見極める必要があります。これまでは、「私に似ている、私が話しているように聞こえる、私のように行動する」という基準に基づいて、新たなリーダーを指名していました。しかし、今は違います。今、私たちはこれまで以上に、より多様で包括的なリーダーシップベンチを構築することが必要です。今日のリーダーシップ開発トレーニングは、女性や有色人種など、これまで十分な恩恵を受けてこなかった人々が参加できるものでなければなりません。将来のリーダーシップにおいてD&Iを達成するには、これらを後回しにするのではなく、早めに意識的に取り入れることが大切です。

ステップ4:ハイポテンシャル人材を客観的に評価する

どうすれば、次世代リーダーを客観的に選ぶことができるでしょうか?
そのためには、ハイポテンシャル人材のタレント性を中立的な立場の人間が公平に評価することが必要です。評価は、性別、民族、年齢などのバイアスを排除し、技術的なパフォーマンスだけでなく、リーダーシップの能力を強調するように設計され、検証されなければなりません。適性や熟練度などのスキルは重要ですが、ソフトスキルやその他のリーダーシップの可能性を測る尺度も同様に評価され、育成される価値があります。最近では、ハイブリッドな環境で働く従業員もいるため、直接会って行うのと同程度の厳格さと厳密な洞察をもって、バーチャルで行うことができるリーダーシップ評価サービスがあります。

ステップ5:社員のモチベーションを維持する

評価プロセスの準備が完了したら、その次は何をすれば良いのでしょうか?
ハイポテンシャル人材たちを特定してリーダーシップ開発プログラムに組み込むことと、彼らが測定可能な進歩を遂げているかどうかを確認することは別の問題です。これは、リモート環境では特に難しいことです。次世代の人材には、目的意識を持って、よりパーソナライズされた方法で学習体験を提供しましょう。リーダーシップ研修は、オンデマンドで利用でき、実際のシナリオでスキルを練習できるようなバーチャルプラットフォームとして提供されるべきです。人材を積極的に参加させるために、マネージャーはプログラムの実施期間中、メンターとして個人の能力開発をリモートでサポートしなければなりません。マネージャーが関与することで、コーチングやピアツーピアの相互作用と相まって、従業員のエンゲージメント、モチベーション、アカウンタビリティを維持するのに役立ちます。

ステップ6:育成と維持

エンゲージメントの高い社員は、リーダーとして成長するだけでなく、自分のスキルを高めることにコミットしながら、長く企業に勤める傾向があります。2016年6月のGallup社の調査によると、ミレニアル世代の87%が、仕事をする上で「専門職やキャリアの成長・発展の機会」を重要視しています。人材はビジネスの屋台骨であり、最も競争力のある資産です。優秀な人材がいなければ、企業は新しいチャンスをつかみ、競合他社を追い越す準備ができません。だからこそ、次世代リーダーに投資し、その成長をサポートすることは、必ず従業員のロイヤリティと定着率の向上につながるのです。

新たな時代で評価されるリーダーシップの資質

大規模な変化の時代に競争力を維持するためには、新たなハイポテンシャル人材たちのリーダーシップ開発を加速させることが重要です。リモート環境でのスキル開発は難しいと思われがちですが、心配する必要はありません。適切なツールとマネージャーの関与があれば、在宅勤務やハイブリッドな環境で働く従業員も、優れたリーダーになるためのスキル、習慣、行動を身に付けられます。

新たな時代に向けて前進する中で、最も評価されるリーダーシップの資質は、インクルージョン、アジリティ、そして成長マインドセットです。将来の利益を得るためには、これらの資質を今から育てていく必要があり、それはトップから始めなければなりません。

クインテグラルが取り組む新しい人材育成

日本においても、大手企業が本社機能を地方に移すことが報道され、注目を浴びました。また、オフィスを縮小し、より柔軟な働き方を推奨する企業が増えるなど、これまでの当たり前が、大きく変容する過渡期にあります。このようなVUCAな時代に未来を予想することは困難なように感じられがちです。しかしながら、組織や社会の正常な新陳代謝を促すためにも、次世代リーダーの育成を継続することは、非常に重要です。

今回ご紹介した記事を読みながら、もしかしたら、リーダー自身が新しい価値観を身に付け、人材を見る目を養い、これまでの自分の考え方に対する問いかけが必要なのかも知れないとも感じました。

クインテグラルでは、昨年より、リモート環境でも効果的な人材育成を促進するため、受講者が、よりオーナーシップをもって自身の能力開発に取り組む仕組み作りや、よりパーソナライズされた人材育成のニーズに応えられるような研修設計のご提供等、様々な挑戦をしています。これらの挑戦については「新しい一手!人材育成の未来を切り開く」でご紹介させて頂いておりますので、是非ご活用ください。

 

クインテグラルのハイポテンシャル向け人材育成

ハイポテンシャル向けプログラムの一部をご紹介しておりますので、こちらをご参照ください。

 

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