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コーポレートラーニング|現状とこれから

現状とこれから

コーポレートラーニングに関して、その歴史、学習方法の変化、今後も求められるビジネススキルを紹介してきました。今回は、コーポレートラーニングに現状求められていること、そして、これからの新しい人材育成に関して話しをしていきます。

コーポレートラーニングに今求められている役割

従業員を取り巻く環境、働き方、顧客ニーズ、組織の制度など、短い期間で大きく変化していきました。以前ブログに書いた「いまどんな人が何を感じているか」でも紹介しましたが、水面から出ている目に見える氷山の部分に該当する働き方の変化などには、今までにないほどのスピードで多くの人々が順応してきました。しかし、水面下にある氷山に該当する部分の変化がどのようなものになるのか、どのように対応していくべきなのか、多くの人々が模索している時期が続いています。

そのような状況下で、変化にチームが取り残されないように牽引していくマネージャー達は、部下が同じ場にいないことで、日々の勤務態度、他者とのコミュニケーション、物事の進め方などの把握や、サポート、育成がしにくい状況になりました。そして、いままでマネージャーや人事が、人材を変化に適応させるために行っていた育成やOJT、能力開発計画などは、これまでのやり方を変えないと非効率なものになり始めています。さらに、顧客や組織が必要とする人材は大きく変化し始め、全従業員に対して変化を促していくプレッシャーは今までにないほど大きくなってきています。

以前のブログ「リモートワークの定着により変わること」でも紹介したように、3年、5年後は変化を牽引し、対応するために、すべての人材が自発的に学び続けていくことが必須になっていくことが予想されます。
このような時代に、コーポレートラーニングが求められる役割とは何でしょう?
もちろん、従業員の能力開発の機会を提供し、ビジネスの成果に結びつけることに変わりはありません。しかし、その考え方や方法は大きく変化していきます。いま、コーポレートラーニングに求められている役割とは、従業員の自主性の強化と自主的な学びをできる機会の提供なのではないでしょうか。

今までの多くの人材育成は、会社や上司が部下に求める能力を伝え、学ぶ場や機会を提供することが多かったと思います。これでは、いつまでたっても自発的に学習する文化は醸成されていきません。また、人材は身につけるべき能力を考えることがなくなり、上司や会社から言われた能力を強化することを目指してしまいます。以前は、これと似たようなことが従業員のキャリアに対しても起きていました。
これからは、各従業員が自分のキャリアを自分で考え、それに必要な能力と経験を自分から取得しに行くことをサポートできるコーポレートラーニングが必要になると私たちは考えています。
自主性を高めるよう会社が従業員に求めることは、すでに従業員の自主性を阻害しているのではないか、という考え方もあります。しかし、会社が少し後押しをして従業員が自主性を発揮できれば、それ以降は、会社に後押しをされなくても自主的に多くのことができるようになるのではないでしょうか。

これからの人材育成

先ず、自主性を高めるには、「自主性を発揮できる場」を提供することが大切です。
この場がないと、制度や仕組みを変えても効果は出にくいからです。目的は異なりますが、有名なところでは3Mの15%カルチャーやGoogleの20%プロジェクト*がこれに該当するのではないでしょうか。この他にも日常業務の中でそのような場を作ることは可能です。そのためには、組織の方向性と個人のやりたいことが明確になっている必要があります。
今まで多くの人材と話す機会がありましたが、自分のやりたいことが明確になっている人材は少ないと感じています。先ず、人材が自分のやりたいこと、強み、志向性などを考え、理解する機会や、アクションラーニングなどで日常業務とは異なることを経験する機会を提供してもいいのかもしれません。

次は、学習・能力開発に関しての施策になります。
今後、デジタルツールの普及でパーソナライゼーションがさらに進んでいきます。今までは、費用対効果の理由で学習・能力開発のパーソナライゼーションがなかなか進まなかったのですが、安価なオンデマンド学習コンテンツや、AI・VR・Avatarなどを活用し、学習したことを練習する機会の提供が可能になりました。話は少しずれますが、VRやAvatarを使用した能力開発は、バーチャルイマーシブラーニング(仮想没入型学習)と呼ばれ、学習したことの定着が高まるというリサーチもされています。

今まで行われてきた対面型/オンラインでの集合研修は絶対になくなりません。同僚と一緒に、経験を共有しながら、講師からのインプットやファシリテーションのもとで学習することのメリットは多くあり、それは今後も変わりません。しかし、パーソナライゼーションが進むことで、今まで集合研修で解決できなかった、個人個人のスキルレベルの違いや必要な能力の違い、学習方法の違い、などが解決できます。

e-Learningを使い、20分で学習したことを、直後にAvatarを使用したロールプレイで練習をする。そして、その1時間後にはそのスキルを使って実際の業務を行う・・・私たちは、このような人材育成のパーソナライゼーションを進めるために、70:20:10モデル**や40:20:40***など、アンドラゴジー(成人学習)に基づいた設計をしながら、様々な新しい取り組みを行っています。この取り組みを通し、新しい人材育成を形作るために挑戦しています。
現段階で具体的な施策として取り入れられることは、強化したい能力の特定を行い、その能力を強化するのに必要なスキルをe-Learningなどを使い、短時間で、オンデマンドで学習できるものを準備していくことです。そして、そのスキルを練習する場としてAvatarを使用したロールプレイやオンラインでの短時間のワークショップを行う環境を整えることが、人材育成のパーソナライゼーションの第一歩になるのではないでしょうか。

*3Mの15%カルチャーやGoogleの20%プロジェクト:
従業員の能力を発揮させイノベーションを起こしていくために、業務時間の一部を各従業員が取り組みたいプロジェクトや開発などに時間を使える制度

**70:20:10モデル
1960年代以降に米国の政府機関やその他の団体が人の成長に関して行ったリサーチの結果を示す内容。有名なのは、Center for Creative Leadershipが1980年代にリーダー(経営幹部)に対して、「自身の成長に役立った学習法は何か?」とリサーチした結果。70%が経験、20%が他者からのフィードバック、10%がフォーマルな形式での学習。学習する内容や時代によって割合は変化するが、人材の成長を促す要素として多くの人材育成を設計する場で参考にされている。

***40:20:40
学習効果の測定の分野で有名なDr. Robert O. Brinkerhoffがリサーチに基づき提唱している、学習効果を最大化するために費やすべき労力の割合。学習前の準備が40%、学習内容の準備に20%、学習後のフォローが40%といわれている。

 

筆者紹介

加藤洋平(カトウ ヨウヘイ)
クインテグラル株式会社 取締役

クインテグラルの前身であるAMAの日本支社に2008年に参加し、組織開発、グローバル人材育成、次世代リーダー育成、などさまざまな学習理論に基づき幅広いソリューションを構築、提供している。人の可能性を最大限開花させるお手伝いをすることをミッションとし、日々の業務と継続的な学習をおこなう。
 

全プログラム オンライン対応

クインテグラルでは、豊富なプログラムを数多くご用意しております。ビジネス経験豊かな講師のもと、みなさまのビジネスを更に加速させるお手伝いをいたします。すべてオンラインでの対応も可能なため、環境に応じた実施方法をご選択いただけます。 プログラムラインナップはこちら  

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インタラクティブなコミュニケーションを実現するライブセミナーや、個人のペースで進められるオンデマンドトレーニング等、多彩なオンラインツールを組み合わせ、人材育成のニーズや課題に応じたデジタルラーニングサービスを提供しております。 提供サービス
  • オンライントレーニング
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各サービスの詳細はこちら クインテグラルで実施したデジタルラーニングの実績について、一部ご紹介しております。 各事例については、こちらからご覧ください。  
AMAは、1923年にニューヨークで設立されたマネジメント研修の分野で世界を代表する国際教育研修機関です。世界において10万人以上の個人クライ アントと約1万社もの法人クライアントから高い評価を受けています。 グローバルナレッジマネジメントセンターは、2012年2月より、AMA (American Management Association)のサービスを国内で唯一提供する会社として設立され、2017年10月、アジアへのAMAサービス展開 に合わせ、社名をクインテグラル株式会社に変更いたしました。

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