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多くのグローバル企業にとって、共通研修は企業文化の統一、
異文化理解の促進、そしてグローバルな視点の育成という大きな意義を持ちます。
しかし、海外本社から共通プログラムが展開される際、
日本の文化や商習慣に合わない
形式的になり、現場の行動変容に繋がらない
という課題に直面している人事担当者は少なくありません。
本記事では、グローバル共通研修が直面する課題を解決し、
内製コンテンツの価値を最大化して現場の実行力につなげる具体的なソリューションをご紹介します。
【目次】
なぜグローバル共通研修の「ローカライズ」が重要なのか
グローバル研修で現場の行動変容が起きない3つの課題
内製コンテンツの価値を最大化する2つのソリューション
なぜグローバル共通研修の「ローカライズ」が重要なのか

グローバル共通研修を成功させるための最初のステップは、単なる「翻訳」で終わらせず、
「ローカライズ」を戦略的に行うことです。
このローカライズを成功させるためには、まず研修の本質的な目的を理解し、
なぜ単純な翻訳では不十分なのかという意義を深く認識する必要があります。
具体的には以下の点が挙げられます。
- グローバル共通研修の目的
- グローバル共通研修の目的は、全拠点の社員が共通の視点と価値観を持つことです。
- 企業文化の統一:共通の用語、価値観、行動規範を浸透させる
- 異文化理解の促進:相互の文化・商習慣の違いを理解し、協業を円滑にする
- グローバル視点の育成:ローカルな視点に留まらず、全体最適を目指す思考を養う
- グローバル共通研修の目的は、全拠点の社員が共通の視点と価値観を持つことです。
- 「翻訳」ではなく「ローカライズ」が必要な理由
- ローカライズとは、ただ言語を置き換えることではありません。
- 各拠点の課題を明らかにした上で、プログラムを効果のあるものに変換することです。
- 例えば、欧米で効果があった「積極的な議論を促すワーク」が、
日本やアジアの文化では「参加者が沈黙する」結果を招くことがあります。
文化や商習慣の違い、受講者の特性に合わせた調整こそが、研修効果を最大化する鍵となります。
グローバル研修で現場の行動変容が起きない3つの課題

「ローカライズの必要性は理解しているが、実際に現場の行動変容が起きない」という場合、
その原因はコンテンツと運営方法の3つの側面にあります。
ローカライズを実施しても効果が出ない場合、
その原因は研修コンテンツの「適合性」と運営側の「実行力」に潜んでいます。
現場の行動変容を阻害する主な3つの課題は以下の通りです。
- 内容が文化・商習慣にフィットしない
- 本社のプログラムが持つ理念や手法が、日本の商習慣や階層構造(ヒエラルキー)に合致しない場合、
受講者は「自分事」として捉えられず、知識のインプットで終わってしまいます。
- 本社のプログラムが持つ理念や手法が、日本の商習慣や階層構造(ヒエラルキー)に合致しない場合、
- 現場の課題と研修内容が結びつかない(企画力の不足)
- ローカライズの際、日本の拠点特有のビジネス課題(例:複雑な稟議プロセス、顧客の要求水準の高さ)と、
共通研修の内容が結びついていないケースです。 - 結果、受講者は「良い話を聞いたが、明日から何をすべきかわからない」状態になります。
- ローカライズの際、日本の拠点特有のビジネス課題(例:複雑な稟議プロセス、顧客の要求水準の高さ)と、
- 講師の指導力不足(ファシリテーションスキルの欠如)
- 講師が単に本社の資料を読み上げるだけ、あるいは一方的な知識伝達に終始してしまうと、
受講者の内省や実践への意欲を引き出すことができません。 - 特に文化的な背景が異なる研修では、講師の高度なファシリテーション能力が不可欠です。
- 講師が単に本社の資料を読み上げるだけ、あるいは一方的な知識伝達に終始してしまうと、
内製コンテンツの価値を最大化する2つのソリューション

グローバル共通研修を形骸化させず、内製コンテンツの価値を最大化するためには、
「企画力」と「講師力」という2つのソリューションが不可欠です。
前述した3つの課題を乗り越え、グローバル共通研修を真に実効性のあるものに変えるためには、
研修の設計段階と実行段階において、以下の2つのソリューションを実行することが不可欠です。
- 効果を最大化する「企画力」(プログラムの最適化)
- 企画力とは、コンテンツを日本の拠点特有の課題に合わせて最適化する力です。
- 受講者の特性理解:日本の受講者が持つキャリア観、モチベーション、学習スタイルを深く理解する
- 事例の置き換え:本社の事例を、日本の現場で起こり得る具体的なケーススタディに置き換える
- メッセージの再構築:本社のメッセージを、日本の組織文化に響く言葉で再構築し、腹落ち感を高める
- 企画力とは、コンテンツを日本の拠点特有の課題に合わせて最適化する力です。
- 行動変容を促す「講師力」(ファシリテーションの強化)
- 講師力とは、単なる知識の伝達ではなく、受講者の内省と実践を促すファシリテーションスキルです。
- 双方向性の確保:一方的な講義ではなく、ディスカッションやワークを効果的に活用し、受講者同士の学びを促進する
- 橋渡し役:本社の理念と、現場の具体的な行動を結びつける「橋渡し役」として機能する
- 異文化適応:異なる文化を持つ参加者(日本人、外国人社員)がいる場合でも、全員が安全に発言し、学びを深められる場を設計する
- 講師の指導力が高まることで、研修が「形式的なもの」から「実効性のあるもの」へと変革します。
- 講師力とは、単なる知識の伝達ではなく、受講者の内省と実践を促すファシリテーションスキルです。
- 実践知を養う「既任管理職専用研修」の導入
- 役割と負荷が整理されたら、いよいよ実践的なスキルアップに取り組みます。
- 経験豊富な既任管理職には、座学ではなく、行動変容を促すための高度なトレーニングが必要です。
まとめ
グローバル共通研修の効果を最大化し、内製コンテンツの真の価値を解き放つには、
単なる翻訳ではない戦略的な「企画力」と、行動変容を促す「講師力」が不可欠です。
クインテグラル株式会社は、AMA(American Management Association)が持つ世界最高峰のマネジメント教育ノウハウと、
日本特有の文化・商習慣を熟知したローカライズ能力を組み合わせ、貴社のグローバル人材育成を強力にサポートいたします。
貴社のグローバル共通研修を「形式的なもの」から「現場を変える実行力」に変えたいとお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。



