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リスキリングでD&I、人間関係、アンガーマネジメントを学んだ?

リスキリングで学んだこと

10月から2月まで大学院の秋学期がスタートしました。今、私は数人の若い学部生、背景がさまざまな社会人仲間、そして教授陣ともに楽しく学んでいます。今回はそのような仲間との学習を通して、実際に学んでいる科目以外の学びを皆さんに共有します。

大学院授業でのD&I
同じ時間を共有し、学ぶという共通の目的で、平日は仕事終わりに夜な夜な集まり、土曜日はキャンパスで仲間と顔を合わせます。オーソドックスでクラシックな手法である「輪読」スタイルで授業は進められます。毎回、大量の資料が課題として与えられ、レジュメ担当が該当ページを要約しプレゼンします。その後、コメント担当が疑問・意見を提起し、皆で議論します。当然のことながら (この当然がとても重要) 、皆から出てくる発言内容はさまざまです。今の発言はどこから来るのだろうかと意見・反論する前に立ち止まり、その人の考えの基になるものに思いを巡らしてみます。同じ箇所を読んでも、考えや意見が多様であることに毎回驚かされます。誰も否定せずに意見を受け入れ、そして異なる考えを意見の上に被せる、そのようなことを続けながら、皆で深く学んでいます。さながらダイバーシティ&インクルージョン (D&I) の縮図が授業の中で展開していきます。

エジプトのピラミッドを見て、何の知識もなければ、ただの石の塊としか見えません。しかし、背景や歴史の知識があれば、ピラミッドは王の権力の偉大さを象徴した墓と認識できます。同じものを見ても、違う解釈に至ります。どちらも間違いではなく、ただの違いであり、どちらも正しいのです。確かに、ピラミッドは石の塊であり、墓でもあるのですから。見え方・考え方の違いは、単なる違いであり、「間違い」ではありません。頭の固い私も、この「違い」をだいぶ楽しむことができるようになってきました。

本の距離感と人との距離感
難解な本や文献を課題として与えられます。理解することが困難で、何度も何度も同じ箇所を読み返します。でも分からない、そのようなことが度々あります。教科書に顔を近づけ過ぎると、文字ばかりに焦点が当たり、全体像が見えなくなってきます。そのような時、難解な文章から目を離し遠ざけて考えたりすると、ボンヤリとですが全体像が見えてきます。そうすると少しずつ核心・メッセージに到達することができるようになってきます。この「適度な距離感」を持って対象を見るということは、私にとっては大きな発見で、新しい学び方を獲得したように思いました。

他人との関係もそうではないでしょうか。余りにもべったりで、距離感が近付き過ぎると相手との関係が悪化することもあります。家族、恋愛関係、夫婦、上司部下、同僚、どの関係にも当てはまるかもしれません。一言を言いたくなる、助けたくなる、アドバイスしたくなることもありますが、あえて相手の領域に踏み込まないことも重要です。なぜなら悩んでいることや問題は私のものではなく、その人のもので、本人が解決しなければならないものだからです。相手に対するリスペクトを持ちながら、適度な距離を保つこと。冷たいと思われても、あえて離れること。そうすることで私自身も私のするべき本当の役割がボンヤリと分かるようになります。

受験生の息子を持つ父親として、無駄なことをやっているな、もっと効率的なやり方があるのにと、つい教えたくなります。しかし、ここはガマンして、あえて言わないようにしています。それは彼が試行錯誤して発見すべきことで、彼の課題であり、私の課題ではないからです。だからと言って、私がアドバイスをしなくても彼との関係が悪化することはありません。難解な文章から距離をとって、全体感をつかむという本の読み方から、人間関係にも応用できると思った事柄の共有です。

私なりのアンガーマネジメント・感情コントロール
家族からは、私は短気で怒りっぽい性格だとよく注意を受けます。年齢とともに、外にあからさまに表現することは少なくなってきていますが、内面で起こるイライラや怒りの感情が生じること自体は止められません。先日、仕事中に他部署から受け取ったメールの文章に対して、少なからず私の心はイラっとすることがありました。前述したように、大学院での授業中にいろいろな意見が出て、その考えの基はどこなのかと思いを巡らしています。「しめた!ここで試してみよう」とひらめき、実際にイライラしたメールに対して同じように思いを巡らしてみました。なぜ自分はイライラし、怒っているのだろうかと客観的に自分を省みました。そうすると「なんだ、そういうことか」と、自分が怒っている原因がわかりました。怒る必要はない、このような小さなことで怒りにエネルギーを注ぐのはもったいないという結論に達しました。

他人から見たら、小さな一歩でしょうが、私自身のアンガーマネジメントにとっては、まさに大いなる一歩でした。そのような思考方法を少しずつではありますが、亀の歩みのように今更ながら学習しています。毎日発生するイライラや怒りの感情と向き合うことで、以前と比較しても気持ちにゆとりを持つことができるようになってきました。

リスキリングの副産物
大学院では専門的な知識の習得、研究に当たっています。加えて、思いがけない副産物を得ていると実感しています。そのようなことは入学前には期待していませんでした。実に大人の学習、リスキリングは学んでいる科目だけを学んでいるのではありません。人と学ぶ中で、学んでいる行為や過程において、科目以外の多くのことを習得しています。私自身の事例のように、それらは他にも応用・適用が効くものです。良いことばかりでデメリットは今のところありません。社会人生活を通して、また働くことを通して、後天的に有益な「学び方」を学んでいたのかもしれません。そして、一番の学びは、「人はいつになっても成長できる」ということが分かりつつあることに尽きるのかもしれません。

以上、リスキリング中の私の途中報告でした。

最後に
あなたが変われないでいるのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
「嫌われる勇気」岸見一郎・古賀史健著

 

本ブログでご紹介した内容の詳細は、以下までお問い合わせください。
お問い合わせ:https://www.quintegral.co.jp/contact/

 

筆者紹介

未来への道標 A guide to future

新里 幹彦(Mikihiko NISSATO)
クインテグラル株式会社

長年、日系・外資系企業でのマネージャーとして活躍。2013年よりクインテグラルで、日本国内の内資・外資系の企業の経営陣や幹部、次世代リーダーの方々を対象に、リーダーシップの強化、マネジメントスキルの向上、グローバルコミュニケーションの強化など、人事コンサルタントとして様々な課題に取り組んでいる。最近では、これらの経験を活かし、トレーナーとしても活動を開始。

 


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AMAは、1923年にニューヨークで設立されたマネジメント研修の分野で世界を代表する国際教育研修機関です。世界において10万人以上の個人クライ アントと約1万社もの法人クライアントから高い評価を受けています。 グローバルナレッジマネジメントセンターは、2012年2月より、AMA (American Management Association)のサービスを国内で唯一提供する会社として設立され、2017年10月、アジアへのAMAサービス展開 に合わせ、社名をクインテグラル株式会社に変更いたしました。


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