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企業内研修に対する思い込み

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 今回は、「企業内研修とはこういうものだ」という思い込みを疑っていきます。

企業研修の歴史
 現在の企業内研修の多くは、半日あるいは1日、または長いものは数週間かけています。講師が概念を説明し、そして手法を説明した後、学習者がディスカッションを行い、手法の練習とその経験を振り返るというのが主流です。これは、戦後に米国から日本企業に導入されたCCS (Civil Communication Section) 、TWI (Training Within Industry) 、MTP (Management Training Program) など、経営・管理の役割と必要知識を学習する講座の形式が大きな影響を与えたと思われます。

 大学での学びも、多くのクラスは合計で12時間から長い場合は25時間以上もかけて一つのテーマに関する概念的なことから詳細までを網羅して学習します。実際、私が学生時代に米国の大学で受講したNegotiationのクラスの合計時間が約12時間でした。これは2日間で実施するAMAのNegotiationのコースと同等の時間数です。

学習者のニーズ
 しかし、新任管理職研修、グローバルリーダーや次世代リーダー研修などの対象者にとっては、長時間の研修よりも現場で業務を進めるために、少しでも効果的に行う方法を短い時間で学びたいというニーズのほうが多いのではないでしょうか。
例えば、次のようなニーズです。
他部署との業務で

  • 相手の状況を理解し、共通の目的を見つけるためのヒアリングを行う
  • 自分の状況を理解してもらい、提案に納得してもらう

上司部下であれば

  • 本心を聞き出す
  • 上司にリクエストをアサーティブに伝える

営業であれば

  • 顧客とミーティング中にニーズを深掘りするために質問をする
  • 新規顧客と関係性を作るために効果的にミーティングを行う

 上記の状況に役立つ研修を受講する場合、通常の概念や全体像を学習するような研修では10日以上かかってしまいます。しかし、このような状況で効果的に成果を上げる能力は、多くの従業員に求められています。

デザインシンキングで学習者の業務と学びを統合

*デザインシンキング:デザイナーがデザインする過程で用いる人間の経験を中心とした発想・認知方法。ビジネス上の問題や課題解決のためにも活用されている考え方。

 業務を中心に学びを設計するには、その業務を遂行するために役立つ知識やスキルを特定します。そして、その業務を行う状況を疑似体験できる場を作り出し、知識やスキルを実践、振り返り、修正する方法を設計することが必要になります。

 そこで、学びを設計する際の一つの考え方として、デザインシンキングの概念を取り入れてみるのはいかがでしょうか。例えば、自分が一人のビジネスパーソンとして業務を遂行するために学びをするならば、どのような内容や方法が良いのかを想像してみることです。

 私は次のようなことを考えてみました。
 「部下との1on1ミーティングの開始2時間前に、スケジュール管理システムからアラートが送られてきます。そのアラートには、アクティブリスニングのe-Learningのリンクがついています。10分程度でスキルを学習します。その後、オンラインでアバターや実際の人間を相手に、部下との1on1ミーティングの疑似体験を行います。相手の本心を聞きだすといったアクティブリスニングの練習・振り返りをしてから、実際の1on1ミーティングに臨みます」

「すでに起こった未来」?
 今後、私が想像したような学び方へのニーズが増えてくるのではないでしょうか。AMAの顧問をしていたドラッカー教授が「未来の変化を察知するには『すでに起こった未来』を現在に見つけることだ」と言われています。

 最近の例では、10年前には街で見ることのなかった電気自動車のテスラ。今では街を歩いていると1日1台は見るようになりました。これは今後の自動車業界で起きる『すでに起こった未来』の一つではないでしょうか。すでに各国政府が取り組んでいますが、20年30年後、世界中で販売される新車の100%近くは電気自動車になっているでしょう。5年前は、まだ街中で月1回程度しかテスラを見ることがなかった時に、この将来に起きるかもしれない変化を想像することができたでしょうか。この先の変化を作り出し対応することが、今後のカギになると思います。

 この電気自動車の例のように、今回紹介した学び方のアイデアが、数年後に多くの社会人に活用され『すでに起こった未来』となるように、研修の企画者、学習者、提供者、皆にとってサステナブルなサービスとしていけるように日々改善して参ります。


本ブログでご紹介した内容の詳細は、以下までお問い合わせください。
Tel: 03-3347-9740
お問い合わせ:https://www.quintegral.co.jp/contact/

 

筆者紹介
加藤洋平(カトウ ヨウヘイ)
クインテグラル株式会社 取締役

クインテグラルの前身であるAMAの日本支社に2008年に参加し、組織開発、グローバル人材育成、次世代リーダー育成、などさまざまな学習理論に基づき幅広いソリューションを構築、提供している。人の可能性を最大限開花させるお手伝いをすることをミッションとし、日々の業務と継続的な学習をおこなう。

 


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AMAは、1923年にニューヨークで設立されたマネジメント研修の分野で世界を代表する国際教育研修機関です。世界において10万人以上の個人クライ アントと約1万社もの法人クライアントから高い評価を受けています。 グローバルナレッジマネジメントセンターは、2012年2月より、AMA (American Management Association)のサービスを国内で唯一提供する会社として設立され、2017年10月、アジアへのAMAサービス展開 に合わせ、社名をクインテグラル株式会社に変更いたしました。


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