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人工知能(AI)は、もはや一過性の流行ではなく、私たちの働き方を根本から再定義する存在となりました。
2022年を転換点として、AIはテキストや画像、プレゼン資料の作成までを網羅する
「マルチな業務パートナー」として定着
しています。

AMAが実施した2025年版年次AI調査では、
AIが「任意的なツール」から「代替不可能な業務上の前提条件」へと昇華したことが描き出されています。

  • 現在、何らかの形態でAIを導入済みの組織は、実に95%に達している
  • 全社的にAIを日常利用している企業は、2023年の31%から、2025年には58%へと急増している
  • AIは今や、電子メールやチャットツールと同様に「存在して当然」のビジネス・インフラとなりつつある 

このように、AI活用は議論のフェーズを終え、いかに日々の業務へ効果的に組み込むかという「実践的なフェーズ」へと移っています。

しかし、その急速な普及の影で、組織には深刻な「歪み」が生じ始めています。

本記事ではAIの浸透に伴い、これからのリーダーが考えるべき観点について解説します。

【目次】
「戦略とルールの乖離」が招くリスク:75% vs 53% のパラドックス

従業員の心理:91%の肯定的な期待と、その裏に潜む「加速への焦燥」
【示唆出し】2026年に向けた「AI共生組織」への変革ロードマップ

 

「戦略とルールの乖離」が招くリスク:75% vs 53% のパラドックス

    

グローバル規模でAI活用が深化する一方で、組織が描く「攻めの戦略」と、
それを支える「守りのガバナンス(利用規律)」の間に大きなギャップが生じていることが明らかになりました

  • AIに関する戦略的なロードマップを策定している企業は、2025年には75%へと飛躍的に増加している

  • 一方で、AIの利用規律やポリシーを運用している企業の割合は53%に留まり、戦略策定ほどの速度では進捗していない

  • ガバナンスの整備が後手に回っているこの「過渡期」の状態は、かつてのSNS普及時と同様の混乱を招くリスクがある

戦略だけが先行し、ルールが不明確なまま現場に活用の判断を委ねることは、リスク管理上の問題だけでなく、
従業員の心理面にも大きな影響を及ぼします。
適切な指針がない中での活用は、期待を不安へと変えてしまう要因になりかねません。

 

従業員の心理:91%の肯定的な期待と、その裏に潜む「加速への焦燥」

 

AIに対する従業員一人ひとりのマインドセットは、驚くほど前向きです。
しかし、その期待感の裏には、技術の進化速度に対する焦燥感も潜んでいることが本調査で判明しました。

    • 回答者の91%が「AIは自らの業務にプラスの影響をもたらす」と確信している

    • AIが普及するほどに、その加速度的な変容に適応し続けられるのかという不安を吐露する声も増大している

    • 明文化されたポリシーを欠く組織では、管理職が個別にガバナンスを判断しなければならず、現場に戸惑いが誘発されやすい

    従業員はAIの価値を認めつつも、組織的なサポートが不足していると感じれば、その熱意を維持することは困難です。
    では、こうした「期待と焦燥」が入り混じる現状を踏まえ、リーダーはどのような示唆を読み解き、行動すべきでしょうか。

     

    【示唆出し】2026年に向けた「AI共生組織」への変革ロードマップ

    資料のデータから読み解ける、今後のリーダーシップと組織開発に向けた重要な示唆をまとめます。

      • 「ガバナンスの空白」を解消し、心理的安全性を確保する

        • 規律の整備が戦略に追いついていない現状を放置せず、早期にAIポリシーを明文化して全社で共有する必要がある

        • 活用の是非を個人の判断に委ねるのではなく、組織の標準としてルールを定めることが、従業員の遂行への自信を向上させる

      • 「AIリテラシー」を全社員のコア・コンピテンシーへ格上げする

        • AIがインフラ化した今、その活用能力は特定の専門チームだけのものではなく、全社員に求められる「前提条件」である

        • 一過性の操作研修ではなく、AIを活用して意思決定をどう高度化し、仕事の本質をどう変えるかというリスキリングを最優先事項として組み込むべきである

      • 「速度への不安」を解消する継続的な対話とビジョンの共有

        • 91%の期待を維持するためには、技術の提供だけでなく、変化に疲弊しないためのマインドセット教育が不可欠である

        • 地域ごとの戦略的特性(北米の革新性、欧州の規律など)を理解し、自社の文化に即した「AIとの共生ビジョン」を語り続けることがリーダーの役割である

      戦略実行は、一度限りのイベントではなく、組織の筋肉を鍛え続けるプロセスです。

       

          まとめ

          AI活用はもはや「使うべきかどうか」という段階を過ぎ、日々の業務に「いかに効果的に、かつ安全に組み込むか」という統合のフェーズにあります。

          2026年に向けて企業が取るべき戦術は、戦略のスピードにガバナンスを追いつかせ、従業員の期待を確信へと変えるための「組織全体の知性強化」です。
          技術的な導入だけでなく、人的資本の価値を最大化させるための戦略的な育成設計が、今こそ問われています。

          グローバルな潮流に取り残されず、AIを組織の強力な武器へと昇華させるための第一歩として、
          まずは自社の「戦略とルールのギャップ」を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

           

           

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