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2022年末のChatGPT登場以来、生成AIは驚異的な発展を続けています。
これほど強力な技術が短期間で経済や生活に浸透した例は、人類の歴史を振り返ってもほとんど見当たりません。
当初は「一部の先進的な組織の実験」であったAI活用は、今やマーケティング、経理、カスタマーサービスといった
あらゆる部門の業務プロセスを書き換えようとしています。
しかし、技術の普及速度に対して、そこで働く「人間」の適応は追いついているのでしょうか。
AMAの最新調査は、組織の劇的な前進の裏に潜む、従業員の心理的な「影」を浮き彫りにしています。
【目次】
戦略の「有無」ではなく「共有」が、AIへの確信を99%へ高める
ガバナンスは「縛り」ではない:心理的安全性を築くための安全対策
【示唆出し】2026年に向けたリーダーの役割:技術の導入から「信頼の構築」へ
戦略の「有無」ではなく「共有」が、AIへの確信を99%へ高める
調査結果から導き出された最も重要な発見の一つは、
「戦略の存在」と「その伝え方」が、AIに対する従業員の肯定感に劇的な差を生むという事実です。
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AI戦略を策定している企業では、回答者の97%が「AIはプラスの影響をもたらす」と確信している
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さらに、その戦略が効果的に社内に共有されている場合、確信の割合は99%以上に達する
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対照的に、戦略を持たない企業では、AIの影響を好意的に捉えている割合は70%にまで低下する
ここから読み取れるのは、従業員はAIそのものを恐れているのではなく、
「会社がどこに向かおうとしているのか分からない」という不透明さを恐れているという示唆です。
戦略を策定するだけでなく、それを現場の言葉で語りかけるプロセスこそが、信頼の土台となります。
ガバナンスは「縛り」ではない:心理的安全性を築くための安全対策

戦略と同様に、従業員の安心感を左右するのが「ガバナンス(倫理・安全対策)」の整備です。
興味深いことに、ルールがある組織ほど、従業員はAIに対して楽観的になるというデータが出ています。
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安全対策(ガバナンス)を整備している企業の回答者は、ほぼ全員(96%)が「AIはプラスの影響をもたらす」と回答している
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ガバナンスが整備されている企業の回答者は、管理職がAIを「責任を持って活用している」と信頼する傾向が強い
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一つの部門や従業員の無謀な行動が、組織全体をリスクにさらす可能性を認識している組織ほど、安心感が醸成されている
ガバナンスとは、単に「やってはいけないこと」を制限するものではありません。
従業員にとっては、「ここまでは安全に挑戦して良い」という境界線を示す
「心理的安全性のガードレール」として機能しているのです。
【示唆出し】2026年に向けたリーダーの役割:技術の導入から「信頼の構築」へ

今回の調査を深く読み解くと、2026年に向けてリーダーが取るべき行動は、
技術の高度化以上に「信頼のインフラ」を再構築することにあると言えます。
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「戦略の言葉」を現場へ翻訳する
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経営層が描く抽象的な戦略を、各部門の従業員が「自分たちの仕事がどう楽になるのか」
「どんな新しい価値を顧客に提供できるのか」という具体的なストーリーへ翻訳して伝える努力が不可欠である
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ガバナンスを「攻めのツール」に変える
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ルールを制限と捉えず、従業員が安心して試行錯誤できるための「保護」として再定義する
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管理職が率先して倫理的な活用を体現することで、組織全体の信頼感が高まる
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「取り残された層」への個別ケア
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影響が大きい部門(CSやマーケティングなど)ほど不安も大きい。全社一律のメッセージではなく、部門ごとの影響を可視化し、
リスキリングの機会をセットで提供することで、焦燥感を期待感へと転換させる必要がある
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技術を活かすことに目が向きがちですが、それはリーダーではない方でも務まります。
リーダーはメンバーが技術を使い、良い仕事をする支援をしなければいけません。
まとめ
AIという強力な波に組織が乗れるかどうかは、最新ツールを導入すること以上に、
従業員がいかに「自分もその波に乗っている」と実感できるかにかかっています。
調査データが示す「戦略共有による99%の確信」という数字は、
透明性のあるコミュニケーションこそが、最大のROI(投資対効果)を生むことを証明しています。
クインテグラル株式会社は、AMAのグローバルな調査知見に基づき、AI時代の戦略実行力と組織文化の変革をサポートいたします。
貴社のAI導入を「技術的な進展」で終わらせず、組織全体の「人的資本の成長」へとつなげるための支援を提供します。



