日本ユニシス株式会社

お客様の課題を抽出し、最適なソリューションを提案するビジネス戦略策定研修

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クラウド化、オープン化により競争が激化するIT業界。よりソリューション型へと、営業スタイルを大きくシフトチェンジした日本ユニシス株式会社では、顧客の経営戦略を分析し、仮説検証を行い、顧客の課題を解決するハイレベルの提案力が求められています。そうした力を養成するため、人材育成面からどのようなサポートを行っているのか、取り組みの具体例を、人事部人材育成センター 担当マネージャーの平野千明氏にお伺いします。

日本ユニシス株式会社

設立 1958年3月
資本金 54億8,317万円
連結売上高 2,710億84百万円
従業員数 4,455名(グループ全体9,670名)

事業概要

コンピュータ黎明期である1958年に創立。時代のニーズにいち早く呼応したITサービスを提供し、日本のITを支え続けてきたソリューションプロバイダー。経営理念に「U&U(Users & Unisys:顧客第一主義)」を掲げ、金融、製造、流通、エネルギー、社会公共などの幅広い分野において経営課題の「分析」から「解決」に至るまでの一貫したサービスを提供。お客様との深いコミュニケーションを通して、徹底してお客様の立場に立ったシステムを提供し、ITによる経営革新を強力に支援している。

御社は1958年の設立以来、半世紀にわたり日本のIT企業を牽引されています。

日本ユニシスは汎用機ベンダーとしてスタートし、現在では金融・製造・社会公共等の企業や官公庁などに対し、システム構築経験と業界横断的なノウハウを武器に、ITソリューションを提供しています。
この10年で、私たちのビジネス環境は大きく変化しました。90年代前半まではメインフレーム(大型汎用機)が全盛であり、私どもユニシスをはじめとしたメインフレームベンダー(IBM、富士通、NEC、日立など)はそれぞれ互換性のない独自仕様のハードウェアとOSをはじめとするソフトウェア上に個々のお客様の業務システムを構築し、お納めするというのが一つの営業スタイルでした。しかしながら90年代後半よりオープンシステムへの移行に拍車がかかったことにより、競争が激化し、営業スタイルもより提案型営業へと大きくシフトせざるを得ない状況になってきています。それに伴い、人材教育も大きく改革しました。

どのように改革されたのでしょう。

お客様のシステムの上流(ビジネス戦略・IT戦略)から下流までをワンストップでサポートできるように、 コンサルタント、上流での提案を行うセールス、プロジェクトマネジャー、アーキテクトなどをキー人材として育成に力を入れることにしました。具体的なプログラム名をあげると、”Camp”というものを2004年から導入しています。”Curriculum for Ambitious Managers and Professionals”の頭文字をとったもので、 高い志を持ったマネジャーとプロフェッショナルを育成することが目的です。
ポイントは三つあります。一つは、技術変化への対応であり、日々生まれては変化するITの新技術に追いつき、新しい技術を生み出していくために、 技術教育の見直し・改訂を行ったことです。二つ目は、それまで技術・システム系スキルの教育に注力していたプログラムのバランスを見直し、 ビジネス系スキル・ヒューマン系スキルを大幅に拡充した点です。三つ目は、経営戦略の実現を加速させる人材を、キー人材モデルとして定義し、キー人材の育成・開発に注力している点です。 これに基づいて、人材育成を行っています

人事部 人材育成センター
担当マネージャー
平野 千明氏

御社は独自の人材教育機関をお持ちです。

人材育成のプロフェッショナル集団という位置づけで「日本ユニシス・ラーニング」というグループ企業がありましたが、昨年5月に、私ども日本ユニシスと経営統合いたしました。グループ自体の人材育成強化をスピーディーに推進していくための統合効果を狙ったものであり、現在、人事部内に私の所属する「人材育成センター」がグループ全体の育成を推進する組織として設置されています。主に営業やマーケティング、組織長など会社のフロントに立つ人材の育成施策を担っております。また、外販を主体とする研修ビジネスについては「ラーニングサービスセンター」という別組織を持っており、主にシステムエンジニアのテクニカルスキルを高める研修を企画・実施・運営しております。

どのような場合に外部の研修企業のプログラムを利用するのですか。

「戦略プランニング」のような、フレームワークや思考法を身につける研修を実施する際、外部のプログラムを活用します。顧客ニーズに対しより的確に応えていくには、上流からの提案能力を強化していくことが不可欠です。お客様の経営戦略を読み解き、ITのプロとして課題を見つけ、ソリューションを提案するコンサルティング力を養うために、外部の知見をお借りします。
こうしたプログラムは、外部に頼まず社内で内製化すれば、確かにコストは抑えられるかもしれません。しかし、外部の知見はコスト以上に効果の高いものだと思っています。自分の問題点や改善点は、なかなか自分自身では見えにくいものです。それを、外から客観的に見ていただき、豊富な知識と経験に基づいた具体的なアドバイスを得ることによって、ビジネスの実践で、より高い成果を上げることができると考えます。
その中のひとつが、AMAにお願いしている「ビジネス戦略策定研修」プログラムです。

AMAの「ビジネス戦略策定研修」プログラムをお選びになった理由をお聞かせ願えますか。

4、5社の研修企業に相談し、各社の提案を受けましたが、その中でAMAを選んだ理由は、一言でいえば、他社に抜きんでてカスタマイズ能力があったからです。
私たちは、顧客の経営課題を解決するハイレベルな提案活動を実行しなければなりません。AMAのプログラムならば、顧客の経営戦略と現状を分析・洞察し、改善目標を定め、そのギャップを埋める対策について仮説を立案する能力を身につけられるのではないかと思いました

これからはお客様の経営視点で、戦略を考えていく営業が重要。

プログラムの内容を簡単にご説明いただけますか?

このプログラムは戦略プランニング・プロセスに焦点を絞ったセミナーです。内容は以下の通りです。今年度実施したのは3日間の研修だったのですが、その3日というのも1日学んだ後、一週間あいだを空け、また1日やって1週間空け、そして最後の1日という流れでした。

プログラム

AMAコンサルタントが解説
ビジネス戦略策定研修 カスタマイズのポイント

表からもおわかりの通り、プログラムでは実習(赤字部分)を多く取り入れ、参加者の理解を深め、より実務に活用しやすい構成にカスタマイズしました。

1?2日目は、通常ケーススタディを使用するところを、自社のミッション、マクロ環境・外部・内部分析、戦略課題を扱うことで、理解を深めていただきました。

2日目終了後、参加者には実際に担当する顧客を想定し、これまで習得した一連のプロセスで顧客視点に立った分析をしていただきました。

研修3日目はその内容を持参、発表をし、ほかの参加者へ講師からのフィードバックを受けて、さらにその精度をあげていただくかたちを取りました。

研修受講前には、参加者各々の視野を広げるために、経営戦略に関する書籍を1冊読んできていただく課題を設定しました。

セミナーのゴールは、
顧客の経営戦略を実現するパートナーとして、顧客から信頼される営業職となり、その結果、過当な価格競争に陥ることなく、長期的なビジネス関係を構築することができるようになることで、
具体的には、
① 戦略立案の流れとテクニックを理解できるようになる
② 顧客戦略への分析力を強化し、訪問前の事前準備の精度を向上する
③ 顧客の抱える課題を抽出し、解決へのシナリオを具体的に描くことができるようになる
これらが目標です。

研修対象者は?

営業・マーケティングのミドルマネジメントを対象に行いました。希望者を募り、その中で業務の進行状況などを彼らの上司と相談の上、参加者を確定します。2010年度は20名が3日間のプログラムを受講しました。

平野さんご自身も研修に参加されたとのことですが、ご感想はいかがでしたか。

参加者それぞれが、学んだフレームワークに実案件を落とし込み、戦略を立て、実行し、その効果をはかる、というスタイルでプログラムを作っていただいたので、非常に実践的なプログラムが実現できたと思います。

過去に実施されたAMA以外のプログラムと比較して、気付かれた点は?

過去に、いくつか戦略に関連するプログラムを実施したことがありますが、ケーススタディに用いられるのは、マイクロソフトやGEなどの著名なグローバル企業、あるいは架空の企業の例といったものであることに違和感がありました。それを自分のビジネスに生かすためには、ひとつずつ置き換えて考え直さなければならないという手間がありますし、リアリティがないので、受講者の多くは、「よい勉強をした」と、知識をただストックするに留まっていたと思われます。しかし研修は勉強ではありません。仕事に生かしてはじめて、研修を行った意味があります。そういう意味でも、AMAの実践的なプログラムはとてもよかったと思います。

参加者の声はいかがでしたか。

講師が非常によかったという声が上がっています。以前金融機関にいらして、それから講師になられたということで、具体的に実践的なアドバイスがもらえ、とくに金融営業の受講者からの評価は抜群で現業務に役立ったとの声が寄せられました。具体的には、「業界知識をふまえた上での戦略的なアドバイスが受けられたのは有益だった」という声が数多く上がりました。
受講者は、自分のビジネスをよりよくするためのノウハウが学べるとあって、「自分ごと」として意欲的にプログラムに参加していたように見受けられました。

~プログラム参加者の感想~

自分の担当顧客をもとに研修を進めたので、具体的で分かりやすかった。

経営視点での戦略思考のフレームの数々を学ぶことができ、非常に参考になりました。なかなか営業の実践においてこれらの全てに対応していくとなると厳しい現状もありますが、その幾つかでも実践に活かせていければと考えています。

自分が担当しているお客様の視点に立ち、1日かけて各フレームワークを駆使してお客様の現状課題を把握を行い、その課題解決まで検討を実施出来たことは、有意義でした。今後の営業活動に生きると思います。

実案件に照らし合わせて進行し、実施後どのような結果が得られ、何がいけなかったのかをレビューする。PDCAサイクルとして廻せるようになることが理想。

プログラムにおける今後の課題は?

今回の反省としては、参加者が自分なりにお客様を想定して戦略を立てる、という形式を取りはしたものの、実際に習得した内容を実践した後の結果までは追うことができませんでした。そのため、今年からは研修を4日間に増やし、このフォローアップの部分を追加しました。つまり、前半にスキルを学び、次に顧客の戦略分析およびシナリオの策定をして実際に案件を動かし、顧客のもとへ提案に行ってフィードバックをもらうところまでやってみるのです。そして、その結果を再び研修に持ち帰り、講師からのフィードバックをもらえる振り返りのセッションを入れることにしました。実案件に照らし合わせて進行し、実施後どのような結果が得られたのか、何がいけなかったのかをレビューできる、PDCAサイクルとして廻せるようになれば良いと思っています。

さらに理想をいえば、プログラムを受けた社員が、その内容を自分なりに咀嚼し、部署に戻ったらプログラムを受けていない部下たちにも伝え、仕事に生かせるような流れをつくりたいです。しかし現実には、部下にはいつかはライバルになって欲しいと思う反面、なかなか成果につながるノウハウをOJTで伝承していくのは難しいのが現状です。かといって、約800名の営業社員全員に研修を受けされるのも難しい。いろいろ問題はありますが、いずれはそのような仕組みができるといいと思っています。

いま、日本ユニシスではSEと営業の垣根をなくそうとしています。具体的には、営業力のあるSEを育てようとしています。従来のSEは、顧客に言われたことを、精緻に、納期に間に合うようにするのが仕事。社内では「この部分は、この部署が守る」というような、役割の決まっている「完全分業制」の仕事のスタイルでした。しかし、繰り返し述べてきたように、いまやそれでは成り立たない時代になっています。クライアントのフロントに接しているシステムの人間が、クライアント企業の将来を見据え、戦略的に営業の話を行い、それを価値のあるものとしてクライアントも耳を傾けてくれるようにならなければなりません。 問題をお客様よりも先に見つけ、大きく課題を捉え、ITを梃子にしてITだけでない解決策を提示し積極的に提案していける営業へと変化が求められているのです。

人材育成センターとして、次に考えていらっしゃることは?

システムエンジニアとしてSI(=システムインテグレーター)ビジネスを深耕しつつ、徐々にサービスエンジニアの育成を強化したいと考えております。
過去にSEからSIへ、という転換点がありました、しかしSIは、あくまでもお客様の意向を受けての商売。同じSIでも「サービスインテグレーター」にならなければならないと思っています。
たとえば、当社ではあるお客様と一緒にポイントカードのシステムをつくりました。このように、顧客とともにサービスをクリエイトできるような人材を育てる研修を実施していきたいです。サービスインテグレーターには、事業を創造したり、社内ベンチャーを起業する力を持たせたいと思います。

平野さんのお仕事は、やり甲斐がありそうですね。

はい、人に関わることですので、やり甲斐がありますし、楽しいです。1000人いれば1000人が違うことを言いますし、みんな文句を言いますし(笑)。でも、人が伸びていく様子を見られるのはとても楽しいです。
研修の成果は、なかなか数値では測定しにくいものですが、受講者から「この研修のおかげで、自信を持って提案ができるようになった」「テキストを読み返して、その手法で営業したらうまくいった」というようなフィードバックをもらえるとすごく嬉しく思います。
ビジネスをうまくいかせるためには、戦略とともに、顧客の経営戦略実現のパートナーとして顧客から信頼されなければなりません。その結果として、過当な価格競争に陥ることなく、長期的なビジネス関係を構築することができれば理想です。そうした企業となれるよう、私たち自身もまさに戦略を策定し、実行して成果を上げていかなければなりません。
ソリューション営業で成果を出すためには、顧客の経営戦略を分析し、仮説検証を行い、顧客の課題を解決するハイレベルの提案を行う必要があります。そうした力を人材育成面からサポートしていくのが私たちの役目です。
お客様の発展に寄与するよい提案ができる人材を継続的に育成していきたいと考えています。

インタビューを終えて・・・。

「顧客の経営戦略を分析し、仮説検証を行い、顧客の課題を解決するハイレベルの提案力」を追求する日本ユニシスに対し、AMAの講師が提供するのは、戦略を立てて実行する、あるいは問題を突き止めて解決するための考え方のフレームワーク。それを業界や日本ユニシスのビジネスに合わせてケーススタディに取り入れ、ビジネスの課題解決の考え方をサポートしています。
その企業のビジネスに直結した研修プログラムは、学んだことを即ビジネスの場で応用でき、そのときに、フレームワークをどう使うものなのか感覚としてつかめ、不明な点は、研修期間中であればケースごとに講師に聞くことができます。本を読んだり学校で学ぶものより、こうした方法で体得したフレームワークは、その後のビジネスに応用するという意味では即効性が高いのではないでしょうか。
「研修は勉強ではありません。仕事に生かしてはじめて研修を行った意味があります」。そう平野さんがおっしゃる通り、今後、企業内研修プログラムは、あらかじめ用意されたテキストに沿ったおきまりの講義から、その企業のビジネスの問題解決を行うワークショップ型で、事業に直結するような、躍動感ある実践的なものへと変化していくのではないかと思いました。

2011年1月取材 ライター:野崎稚恵

ライター:野崎稚恵  撮影:金谷喜久

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