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「研修中は盛り上がったのに、結局、現場で何も変わらない」
「せっかく時間と労力をかけて育成したのに、受講者がスマホを触っていて集中していない」
—これは、多くの企業で社内講師が直面する共通の悩みではないでしょうか。

社内講師の育成失敗は、単なる「話し方の問題」ではありません。
それは、研修を、受講者の行動変容と組織の成果に直結させられていないという、極めて重要な経営課題です。

この記事では、社内講師が直面する3つの根本課題を整理し、
世界的な研修ノウハウであるAMA式TTT(Train the Trainer)が提唱する
受講者の主体性と行動変容を最大化するための「講師育成術」を解説します。

 

 

【目次】
なぜ今、「社内講師の育成」が急務なのか?
【研修効果ゼロ】社内講師が直面する「3つの壁」と共通課題
「行動変容」を実現するAMA式TTTの3つのポイント

 

なぜ今、「社内講師の育成」が急務なのか?

 

現代のビジネス環境において、社内講師の役割はかつてないほど重要になっています。
その理由を2つの側面から見てみましょう。

  1. VUCA時代、社内講師は「企業文化の伝道師」である
    • VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代、外部研修ではカバーしきれない、
      自社の最新の戦略や文化、市場動向といった「生きる情報」を届けられるのは、
      現場経験を持つ社内講師だけです。
    • 社内講師は、単なる知識の伝達者ではありません。
      自社のビジョンや価値観を深く理解し、研修を通じて受講者に直接伝えることで、
    • 企業文化の伝道師としての役割を果たし、組織の結束力を高める存在なのです。
  2. 個人の知識を「組織の知」として継承する重要性
    • グローバル化やDX化が加速するビジネス環境では、特定の個人が持つ専門知識やノウハウが、
      すぐに陳腐化する可能性があります
      こうした知識を組織全体の知恵として体系化し、
      継続的に社内で継承していくための重要な手段が、社内講師のスキルアップなのです。

【研修効果ゼロ】社内講師が直面する「3つの壁」と共通課題

 

研修が行動変容に繋がらない背景には、講師と受講者の双方に存在する根深い課題があります。
ここでは、社内講師が共通して直面する「3つの壁」を解説します。

  1. 第1の壁:受講者のエンゲージメント低下と実践への繋がりの難しさ
    • 社内研修では、次のような「困った」状況が頻発します
      • 研修中にPCやスマートフォンを触っている、発言が少なく、一方的な講義になりがち。
      • 研修は面白かったが、結局、学んだことが実際の業務で活かされていない
      • 結果、具体的な成果やROI(投資対効果)が見えにくく、研修 行動変容に繋がりません。
  2. 第2の壁:「準備の負担」と「本業との両立」という講師側の苦悩
    • 社内講師の育成失敗の大きな要因の一つは、講師の多くが体系的な研修設計ノウハウを持たずに講師を担当している点です。
      • 研修企画、資料作成、演習考案など、多岐にわたる準備作業に多大な労力がかかり、本業との両立が困難になる。
      • 結果、講師のモチベーションが低下し、研修の質が安定しません。
  3. 第3の壁:研修効果の不透明さが招く「改善サイクルの不調」
    • 研修効果が見えないことで、「本当に役立ったのか?」という疑問が残り、
      講師としての達成感が欠如しがちです。
    • この「効果の不透明さ」が、講師のモチベーション低下を招き、研修の改善サイクルを回せない要因となっています。

 

「行動変容」を実現するAMA式TTTの3つのポイント

 

それでは、これらの課題を乗り越え、受講者の主体的な行動変容を実現するためにはどうすれば良いのでしょうか?
世界的な研修ノウハウであるAMA式TTT(Train the Trainer)が提唱する、3つのポイントをご紹介します。

  1.  成人の特性を活かす「アダルトラーニングメソッド」
    • 大人の学び(アンドラゴジー)は、子どもの学びと異なります。
      大人は「実利的(仕事に役立てたい)」「失敗を嫌う」「他人から強制されたくない」といった特性を持ちます。
    • TTTでは、これらの成人の特性を踏まえ、
      「参加者の知識や経験を活用する」
      「体験させ、記憶にとどめる」
      「主体性を促す」
      といった関わり方を重視します
  2. 成果を決める「講師の在り方(Attitude)」の磨き方
    • 優れたトレーナーに必要な要素は、A(Attitude:心構え/在り方)、S(Skill:スキル)、K(Knowledge:知識)の3つです。
      この中で、成果の背景を支える最も重要な土台がA(Attitude)、すなわち「在り方」です。
    • 講師は、「人は誰もが成長したいと思っている」と信じ、講師としてではなくファシリテーターとして
      場に立つという意識を持つことが重要です。
      受講者への真摯な関心と、成果志向の心構えが、研修の雰囲気と効果を決定づけます。
  3. 学びを定着させる「実践型ファシリテーション」の技術
    • 行動変容を促すためには、一方的な知識伝達ではなく、インタラクション、フィードバック、コーチングが不可欠です。
      • インタラクション: オープンクエスチョン(What・Why・How)やグループでの対話を取り入れ、
        参加者の積極的な関与を引き出します。
      • フィードバック: 「うまくいっていること」を明確にするポジティブフィードバックと、
        行動の変化を促す建設的なフィードバックを提供し、学びを定着させます。
      • コーチング: 参加者が深く考え、自分なりの答えを導き出せるよう、気づきを促す質問を活用し、自律的な学びと行動を支援します。

 

    まとめ

    受講者の行動変容を促す研修は、講師のスキルだけでなく、
    その「在り方」と関わり方にかかっています。

    D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)やVUCA時代において、社内講師の育成失敗は企業成長のボトルネックになりかねません。

    しかし、AMA式TTTが提供するノウハウを体系的に学ぶことで、講師としての在り方から、
    受講者の主体性を引き出す具体的なファシリテーションスキル、そしてコーチングの技術までを習得できます。

    「準備の負担を減らし、受講者が自ら動き出す研修」**を実現し、組織全体の成長を加速させましょう。

     

     

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