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テレワークの生産性とコミュニケーションスタイル
~伝わっている感じがしないもどかしさはどこから~

modokashisa

 

大きく変わった働き方
コロナ禍でテレワークになってもう1年半ほど経とうとしています。私自身の働き方も大きく変わりました。以前は、海外、国内出張が頻繁にあり、家を空けることも多かったのですが、コロナ禍では、基本自宅からテレワーク、時折オフィスに行くパターンとなりました。朝は子供達を小学校に送り出し、子供達の帰宅時には、オンライン会議中にあたふたとドアの鍵を開けるという感じです。

コロナ禍になって、心療内科に患者として特に若い人たちが押し寄せていると聞きます。テレワークで通勤時間が大幅に削減でき、プライベートの時間をこれまで以上に確保できるはずです。一方で、家庭環境によっては、仕事用のスペースが確保し難い、オンとオフの境界線があいまいでしっかりと休めない、などストレス要因も確かにありそうです。

生産性に関しての国別の調査によると、テレワークにより生産性が下がると感じる割合が、日本は他の国よりも高いようです。当社、コンサルタントの新里のブログでも取り上げていますが、「2020年5月のレノボの調査結果*によると、世界10ヵ国 (日本、米国、ブラジル、メキシコ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、中国、インド) 中で、「在宅勤務での生産性は、オフィスで勤務するより下がる」と回答した割合が高かったのは、日本の40%でした。」ということです。

*レノボ・ジャパン合同会社「コロナ禍における働き方の変化と、在宅勤務へのテクノロジーの貢献に関する意識調査」
https://news.lenovo.com/pressroom/press-releases/new-lenovo-research-people-are-working-more-by-not-going-to-work-but-worry-about-home-tech-data-security-and-personal-costs/

日本人がテレワークにうまく適応できないのは
なぜ日本人がそんなにテレワークをうまく適応できていないのでしょうか。さまざまな要因はあると思いますが、ここでは、コミュニケーションスタイルに絞って、いくつか原因を探ってみたいと思います。

下図にある通り、日本はもっともハイコンテクストなコミュニケーションを取り、その対極にあるのがローコンテクストなアメリカ、オーストラリア、カナダなどの国々です。ハイコンテクストというのは、背景にある文化や価値観、考え方などが近いことが前提となっており、言葉として発するよりも空気を読む、察するというのが重視されるスタイルです。一方で、ローコンテクストは、背景にある文化や価値観などが異なる前提で、言葉で伝えるスタイルです。論理的に筋道を立てて説明する、場合によっては、相手と意見を交わしディベートする能力も必要とされるでしょう。

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出典:エリン・メイヤー著 「異文化理解力」 (2015年、英知出版)

さて、ハイコンテクストなスタイルをそのままオンラインコミュニケーションで行うと、どうなるでしょうか。多くの場合、ウェブ会議システムを介して社内外とミーティングやコミュニケーションを取ると思います。ビデオをオンにしていたとしても、相手の表情から今何を考えているかを察する、空気を読むというのはなかなか至難の業でしょう。また、コミュニケーションのうち、8-9割はノンバーバル (非言語、表情やしぐさ、態度、声のトーンなど) で伝わるとも言われていますので、極端に限られた情報で意思疎通を図る必要があるとも言えます。一方で、なんでも言葉にしてコミュニケーションを取るローコンテクストなスタイルの場合、はっきりと言語化して意思疎通を図るため、メールやウェブ会議、メッセンジャーなどでも十分にコミュニケーションが取れると言えるのかも知れません。

ハイコンテクストなコミュニケーションスタイルのまま、ウェブ会議などを行うと、意図が伝わりにくく、また相手の意図も汲み難いというのは当然のことなのかも知れません。そこで、オンラインでコミュニケーションを取る場合は、できるだけローコンテクストに、伝えたいことを明確に、論理的に言葉にして伝えます。また、ビデオをオンにする場合は、伝えたい内容によって、声のトーンを変える、表情、しぐさは対面の時に比べ少し大げさに行うのが良いでしょう。

これまでのように対面では伝わっていたものが伝わらない、伝わっているように感じないというもどかしさが溜まると、確かにストレスに繋がってしまうように思います。また、職場での雑談など、他愛もないコミュニケーションの機会がないことも、人とのコミュニケーションが好きな人ほどストレスになってしまうのでしょう。

テレワークでオンラインのコミュニケーションが続くとなんだかストレスが溜まるという方は、一度自分のコミュニケーションスタイルを見直し、オンラインに合ったスタイルに調整をすることでより円滑に意思疎通を図れるようになり、ストレスの軽減にもなるかも知れません。

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筆者紹介

 

未来への道標 A guide to future

大谷 有三(オオタニ ユウゾウ)
クインテグラル株式会社 取締役

2009年、IT・ビジネス分野の人材育成を専業とするグローバルナレッジネットワーク社(現 トレノケート)に営業として入社。日本及びアジア地域の営業、事業開発にかかわる。
2021年、トレノケートグループのクインテグラル株式会社 取締役就任。日本及びアジア地域の事業統括、開発に幅広く取り組んでいる。

 


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